名古屋市西区の税理士・会計事務所「堀尾博樹税理士事務所」。相続対策や事業承継でお困りの方、経営計画や月次決算で会社を強くしたい方はご相談ください!
「Wii」「ニンテンドーDS」の爆発的なヒットで話題の任天堂。少し前まではソニーの「プレイステーション」に押されて苦戦を強いられていましたが、新商品にて普段はゲームをしない層も取り込み、見事に巻き返しました。これだけ競争力のある商品を生み出せたのは、技術力もさることながら、開発にしっかりと資金を注ぎ込められたことも起因しています。それは、任天堂の平成19年3月期の連結決算書を見ると、一目瞭然なのです。
現金及び預金が9621億9700万円計上。商品開発に十分投資できるだけの潤沢なキャッシュを保有していることになります。しかも、任天堂は無借金経営。同期の利益剰余金は1兆2202億円にも上ります。つまり、利益を蓄えて商品開発に投資するという、理想的なサイクルを繰り返していることになります。
さらに損益計算書に目を向けると、売上総利益(限界利益)は3978億1200万円。これを社員数3313人(平成19年3月31日現在・連結)で割ると、1人当たりの限界利益が1億2000万円に達します。月100万円=年間1200万円あれば合格ラインといわれるなか、任天堂はその10倍の数字を計上。度を超えてハイレベルな収益体質なことが読み取れるでしょう。
また、同期の人件費162億9200万円を限界利益で割った労働分配率は、なんと4.1%。これは驚異の数値といえます。
最後に机上の空論を一つ。任天堂の現金及び預金9621億9700万円を人件費162億9200万円で割ると、約「59」という数字が出てきます。これは何を表しているのでしょう?
仮に任天堂がこれから何も事業をしなくても、59年間社員に給料を払い続けることができる計算になります。そう考えると任天堂がいかにキャッシュリッチな会社ということが実感できるでしょう。
企業活動において先立つものは現金。現金があれば商品開発にも余裕をもって臨めるのです。任天堂の素晴らしい決算内容は、キャッシュリッチが成せるさまざまな企業の可能性を示しています。
お気軽にお問合せください
当事務所は、TKC全国会会員です。